『教育委員会は閉鎖的だ』

色んなところで、このようなコメントを耳にすることがあります。
 

『教育委員会は閉鎖的だ』

果たして、本当でしょうか?

 

『閉鎖的だ』と思っている方に限って、教育委員会の担当者と話をしたことがなかったりします。
そのような状況の中で、なぜ閉鎖的と判断できるのでしょうか?

私は違和感を感じます。
 

たとえ教育委員会の事務局と話をしたことがあったとしても、自分の教育に対する価値観や経験を是とし、教育委員会にその価値観おしつけていたりします。

 『〇〇〇教育が重要だと思いますが、なぜやらないんですか!』
 『うちは〇〇〇な活動を展開しているので、ぜひとも受け入れてほしい』

と教育委員会のニーズに耳を傾けていないのです。
これらは子どもを置き去りにしているし、そんな案件は教育委員会事務局が対応することを避けるのは当然のことです。日々、待ったなしの案件に対応しなければいけないので、そんな非建設的な議論に時間を使ってられないのです。


もちろん、閉鎖的な教育委員会がないということを申し上げようとしているのではありません。
閉鎖的な教育委員会もあるかもしれない。私もこれまで100近くの教育委員会事務局と話をしてきましたので、閉鎖的な教育委員会があることは重々理解しております。ただ、私は
社会構造がこの閉鎖性を作り出しているのだと思っているのです。
 
どういうことか? 

皆、学校教育を受けているので、教育に対しては何かしらの主張をお持ちです。
メディアや”専門家”などの断片的(もしくは一方的)な情報を基に判断をして、主張をすることもあるでしょう。
つまり、簡単に”教育評論家(批判家)”になれるのです。こういう状況の中で問題が出てくると、皆自分の主張を全面的に押し出し、教育委員会事務局や学校現場の状況やニーズに耳を傾けず、自分の教育観を展開してしまう。

当然のことですが、いきなり否定や批判から入っては信頼関係なんて築けません。信頼関係を築くことができなければ、連携も実現せず、そこでまた教育委員会はバッシングを受け、最終的に殻に閉じこもってしまうのです。メディアの断片的な情報に基づいた現場批判もこれを後押ししているところもあるでしょう。

また、理解しておく必要があるのが、『教育現場には教育に対する強い思いをお持ちで、日々全力を尽くしている先生方が多い』ということです。
 

昨日、戸田市教育委員会  教育長、次長、担当課長数名とお会いして来ました。教育長と次長は長年にわたって困難校を担当されていたそうです。本当に教育と子どもたちに対する思いが強く、感銘を受けました。厳しい状況にいる子どもたちのこともどうにか支援して行きたい、という強いコミットメントも感じました。その反面、毎年課題は複雑かつ深刻になっていき、さらに教育予算も減らされていく。

 
熱い思いだけでは突破できない壁が前に立ちはだかっているのです。


戸田市ではこういう状況を打開すべく、様々な企業との連携も進め、社会全体のリソースを結集して課題解決しようとしています。
 Teach For Japan の活動も理解していただき、来年度に向けてガッツリ連携して行きましょう、という話になりました。 本当に素晴らしいです。

ただ、これは戸田市の教育長の素晴らしいリーダーシップによって実現していることです。
中には、教育に思いを持っているものの、やり方がわからない という状況にある教育委員会もたくさんあります。 


 では、どうするべきか?

私たちがまずできることは、主張や批判から始めるのではなく、実際に現場の方々が抱えている課題に耳を傾けて、ニーズを理解していくこと。そして当事者意識を持ち、そのニーズに対して自分が何ができるのか考え、行動を起こし続けることだと思います。

そして、教育委員会や現場と一緒に成功体験を積み重ねることを通して信頼関係を構築し、現場や教育委員会が社会に開けれるようにしていくのです。

少なくとも、私はそういうマインドを持ち、引き続き教育現場をサポートしていければと思っています。
 
   150806_戸田市教育長