先日、バーキー財団がグローバル・ティーチャー賞2016のトップ50ファイナリストを発表しました。
 

今回の高橋一也先生の受賞、とても喜ばしいことですね。
http://www.globalteacherprize.org/finalist/Kazuya-Takahashi

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昨年できたばかりの新しい賞のようでございまして、まだまだ世界的にも知名度がとても高い賞というわけではない、と認識していますが Teach For America の同僚にも何名かに聞きましたが、知りませんでした)、いうまでもなく、このような賞がスタートしたことは大歓迎ですし、これからに期待ですね。

 

この賞の特徴は選考基準と賞金が出されていることだと思います。
基準は下記の通りで、

·  Recognition of a teacher’s achievements in the classroom and beyond from pupils, colleagues, head-teachers or members of the wider community.

·  Encouraging others to join the teaching profession. Contributing to public debates on the teaching profession, whether through writing articles, blogs, media participation, social media campaigns, events or conferences.

·  Employing innovative and effective instructional practices and achieving demonstrable student learning outcomes in the classroom.

·  Achieving demonstrable student learning outcomes in the classroom.

·  Achievements in the community beyond the classroom that provide unique and distinguished models of excellence for the teaching profession and others.

·  Ensuring children receive a values-based education that prepares them to be global citizens in a world where they will encounter people from many different religions, cultures and nationalities.

児童・生徒に世界市民になってもらうための教育を目指しており、学力向上のみを評価基準に入れているわけではなく、どちらかというとコミュニティや多様性が育まれる教育を目指しているように思えます。また、同僚教員とどこまでコラボレーションしたのか、教員の社会的地位の向上に貢献したかどうかが非常に重要視されているところも印象的でした。

 

賞の目的も下記の通りでして
1. BUILDING TEACHER CAPACITY
2. ADVOCACY CAMPAIGNS TO PROMOTE EXCELLENCE IN TEACHING
3. PROVIDING GRANTS

 

教員支援や教職員の社会的ステータスの向上にコミットしていることがうかがえます。
そして、賞金。。

上記にもっとも貢献している人に賞金というインセンティブを与えているのが新しいですね。


さて、今回の高橋先生の選出は日本で頑張る先生方にどのような影響を与えるか考えてみたのですが、「正直、、、すぐに影響がでるわけではないと思います。」

 

でも、次年度以降、じわじわと浸透してくると思います。
今回の一件、メディアもそこまで取り上げていない印象ですし、国内の自分の知っている先生に少し聞いてみたとしても「へえ、そんなのあるんだ」という認識でした。おそらく、先日貴社の記事でこの賞のことを初めて知った教育関係者は多いのではないかと思います。

 

受賞した高橋先生には「文部科学大臣賞」も与えるくらいのことをする必要があると思いますし、国内でノーベル賞が報道されるように、報道されるようになると良いと思います。見ていただければわかるように、世界でもこの賞を受賞された方はBBCなどの主要局に呼ばれ、対談などを行っています。
http://www.globalteacherprize.org/uk-media-celebrates-2016-top-50-finalist-colin-hegarty

 

ただ、国内においても意識と感度が高い教員は今回のニュースを知ったと思いますし、その中で多くの元気をもらったと思います。


この賞の目的の半分以上を占めるのが「教職員の地位向上」です。
ここをご理解いただき、教員自身が周りの同僚と連携して、コミュニティを巻き込みながら、教員の社会的地位を向上させるアドボカシーをしていくことを期待しています。

Teach For Japan としても、本年度から始まった「教師の日(Japan Teachers' Week)」とも絡ませながら国内の普及活動にも貢献したいと思っています。