今朝(201715日)の朝日新聞の朝刊で取り上げて頂きました。170105_朝日新聞朝刊②

内容は教育投資について二つの切り口で話をさせて頂きました。
そのうちの一つが、教員の質の向上や教職員や学校職員の人数の増減に対する投資について。
以前、私も教員の多忙化についてブログを書きましたが、これは至急対応していかないといけない大きな課題だと思います。

その対応策として、毎年、財務省と文科省との闘いが繰り広げられているように、教員の数については大きな論点になります。
ただし、「きちんと投資対効果を考えたり、予算の要求の仕方に優先順位をつけないと、とりあえずあまり効果がなさそうな教員の人数については減らすぞ!」「暴論だ!現場をわかっていない!」というやりとりを続けており、ずっと議論は平行線なわけです。

【参考:朝日新聞2016年11月8日 教職員削減の財務省案、文科省が反発「暴論だ」

 公立小中学校の教職員定数をめぐって、文部科学省と財務省が対立している。財務省は「来年度から10年で5万人減らせる」とするが、義家弘介・文部科学副大臣は8日、「現場を理解していない暴論だ」などと反発した。2017年度政府予算案を編成するうえでの焦点になりそうだ。

 

 義家氏は、教職員定数について協議した文科省の会議後、「現場の実態とかけ離れた議論だ」と財務省への怒りをあらわにした。

 

 文科省は20年度から始まる新しい学習指導要領を踏まえ、発達障害の子どもや日本語を話せない外国人児童が増えることなどで一定の教職員が必要だとの立場だ。このため、少子化でクラス数が減ることに伴う自然減を考慮しても、17年度から10年間で約1万5千人の削減にとどめるべきだと主張。10クラスあたりの教員数を今の18人から19人に増やす計算をしている。

http://www.asahi.com/articles/ASJC85Q43JC8UTIL032.html

この予算の問題は他には、「給付型の奨学金の整備を」や「発達障害を抱えた子ども達への支援員を増やして」、「外国籍の子ども達に対する支援を拡充してほしい」「学校のネットワーク環境の強化、タブレットを子ども一人に一台を!」などなど様々な切り口で、今、教育に投資が求められている状況が続いています。

私は教育にはどんどん投資をしていくべきだと思っていますし、前段に述べた給付型奨学金やサポート人材の補強等については賛成の立場ではあります。ただ、(当たり前ですが)忘れてはならないのは、財政赤字がこれだけ膨れ上がっている日本にとって「とりあえず投資を!」と言っていても現実的ではないわけです。赤字の内容がどうであれ、財政赤字が1000兆円もあるこの異常な状態は日本の未来への負債にしかなっていません。つまり新規で予算を上乗せして確保することは難しく、そうすると他の予算を削ってでも、の戦いを強いられるわけです。

経営者としての感覚としては、①新しい事業投資を行うためには売り上げを上げるか、②既存コストを削減して投資の優先順位を変更するか、③借入をするしかないわけですが、収入の見通しがつかない状況でさらに債務超過状態なので、③は現実的ではないわけです。①については消費税の増税という方法があるのかもしれませんが、これも理解に時間がかかりますし、そして歳入が増えたとしてもそれを教育に投資するのかその他の社会保障に充当させるのかはまた議論があるわけで、これは相当時間とエネルギーがかかりそうです。

②についても、国家予算という大きなくくりで優先順位の変更を模索すると大変なことになります。「防衛費を削ってでも、教育に投資するべきだ!」と言っても結局二項対立を作るだけです。特に教育領域はこれまでデータの採取や効果検証をずっと怠ってきた領域ですので、教育になぜ今以上に投資すればきなのかに関するロジックの詰めやそれを補強するデータなどを提示できないのです。また、例えば、「防衛費を削減して教育に投資するべきだ!」と論ずる人の多くは安全保障や防衛の専門家ではありません。とても危険な議論だと思います。特に、これだけ不確定要素が高まっている現状がある中で、安全保障や防衛については慎重な検討が必要な気がしています。

もちろん、国家予算全体の配分をどうするのかは、時間をかけながら再構築していく必要は大いにあると思います。ただ、冒頭で申し上げたように、待ったなしの課題が多いわけですから、現実的にすぐにでも手を打てる施策から進めていく必要があるとわけです。
そうすると、②の路線を国家予算内ではなく教育予算内で考える必要があるわけですが、そこで、今回の記事の中では「教員の数を減らしてでも学校職員(つまり事務職員や法務・経理の専門性を備えた専門人材)の数を増やしていくべき」だと言っているのです。
170105_朝日新聞朝刊
教員採用試験(小学校)の実質倍率が2倍を切り始めている状態で教員の数をとりあえず増やすのは超危険なことがおこります。質が担保されていない新任教員が増え、終身雇用なので、40年間学校で働き続けることになります。質の低い教員が現場にい続けることで、現場はより疲弊していきます。これは現場の声です。

質の低い教員は何人いても
40人の学級をまとめることはできません。当たり前ですが、質の高い教員は一人いれば、40人でも100人の学級でも学びを最大化させることができるのです。

質の低い人を増やすのではなく、質を高めていくことに投資をしていく、もしくは既存の先生が教師力を高めることに集中できるように、直接指導に関係しない業務を学校職員に担ってもらえるように学校職員の人員を確保することを既存予算の中で進めるべきだと思っています。こうすることで、現場で指導力に苦労している先生も、自分の指導力を高めるために必要な準備やトレーニングの時間を確保することができます。

これは既存の先生の数を減らして、ということではなく、新規の教員採用は抑えて、学校職員を採用していくことにシフトさせていくことを提言しています。理想的には教職員数と学校職員数の現状の
80:20から国際的な水準の50:50に変遷させていくことです。

日本はすでに私教育投資の支えもあり、公教育教育に対しては費用対効果はとても高い状況であることは以前書きました
既存の公教育投資の中での優先順位の整理や、私教育投資と公教育投資の共存を考えていく事は持続性と発展性を考えていくためにはとても重要だと思っています。