ついに二年間のシリコンバレーでの生活が終了した。そして7月14日で36歳の誕生日を迎えた。

僕は三年前、スタンフォードのキャンパスに足を踏み入れた瞬間、この大学に惚れ込んだ。気候や環境はもちろんのことながら、キャンパスで学んでいる学生のエネルギーに圧倒された。これまでに感じた事のないエネルギーを感じたのだ。キャンパス訪問二日目、キャンパス内のカフェで少し休憩していたら、聞こえてくる会話に驚いた。

A「すんげーこと考えちゃった!!」
B「何よ?」
A「やっぱ、味覚って遺伝子解析によってある程度把握できると思うんだよね。その遺伝子データを基に、味覚に合うワインのサブスクリプション(定期購買)サービスをつくったら面白いと思うんだ」
B「いいね!いいね!お前ワイン好きだもんな!」

その後、すぐにビジネスプランを描き始めた二人を見ながら、羨ましく感じたことを覚えている。「スタンフォードって、きっとこういう場所なんだろうな」と思った。Feasibility(実現可能性)やどれくらいビジネスになるかはわからない。それでも、ちょっとした発想や自分の夢をどんどん語り、それを応援してくれる仲間がいる。すぐに実行に移し、失敗もすれば成功もする。その中で成長があり、また次のチャレンジに挑む。このサイクルが渦巻いている環境なんだろう。新しいアイディアを発想し、それを応援し、チャレンジする環境がここにあるのだと知った。

とはいえ、その一年後に入学が決まっていた僕は、新しいチャレンジをするため渡米しようと考えていたわけではなかった。自分のこれまでの人生やリーダーシップ体験を棚卸して、立ち止まって内省し、前にまた一歩踏み出せるようにする機会にしたかったのである。本気でチャレンジしている人たちが集まるこの場所だからこそ、深いレベルで振り返れると思っていた。

自分と徹底的に向き合う二年間
ビジネススクールに入学する前に一番最初に課された”宿題”が、これまで一緒に働いたり関わった人からの360°評価をもらい学校に提出するというものだった。「ビジョナリーなリーダーである」「教育に対する情熱がすごい」「人が不可能だと思っているようなことも成し遂げるためにコミットする」「人の好き嫌いがはっきりしている」「自分の意見を持ちすぎていて聞く耳を持っていない」「忙しすぎて簡単にアプローチできないし、相談もできない」と自分の強みのみならず自分の弱さについてまとめた分析レポートが入学後、最初のギフトとして届いた。
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レポートが届くと、プロフェッショナルコーチがアサインされ、そこから一年間、その分析結果をベースに「自分がどうしたいのか」を定め、強みを伸ばしたり弱みを克服するための計画を一緒に作る。どの授業を履修すべきなのか
についても適切なアドバイスをもらいながら、毎月の面談で学びの内省を促し、「理想の自分」に向かって伴走してくれたのだ。このプロセスで僕は「7年間、NPOの経営者として、私はほとんど自分と向き合うことはなかった」ということに気が付くことになる。

7年間のTFJ Journey
僕の強みは外に向けてビジョンを発信することだった。周囲が「無理だよ」と言ってきても、強く信じ、力強くビジョンを発信し、一人でも多くの人を巻き込みながら、何かを始めることを強みとしてきた。その結果、最初は経営資源がない中でも優秀な人財を巻き込み、難易度が高い社会課題でも立ち向かっていけるチームを創ることができた。

スタートはとても順調だった。最初に立ち上げたLearning for All という学習支援をする団体には本当に優秀な学生が都内全域から集まってきた。今でも第一回目の西東京で実施した学習支援活動の現場は忘れることはない。今から考えても、「良く集まったな」と思えるくらいの超優秀な学生が集まり、彼ら/彼女らがビジネスコンテストに向けて汗と涙を流すのではなく、子どもたちの教育に情熱を注いでくれていたのだ。社会人プロボノは一時期200名を超え、毎週末の全社会議は会議室が満席になるくらいの熱気だった。
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テレビ・新聞・雑誌メディアにも300本以上出て、講演も年間100本を超える状態だった。連携が難しいと言われていた教育委員会とも着実にパートナシップを結んでいったし、ありがたいことに貴重な寄付も集まるようになっていった。そのような熱狂の中、当時は一日睡眠時間は4時間、16時間は働いていたが、苦じゃなかった。しかし、やればやるほど事業はある一定のところまで成長するものの、少しずつ歪が生まれるようになる。

一人でやれるのは所詮、一億程度の事業
TFJも事業規模が一億円を超えるくらいになったころから、組織課題がどんどん積み上がっていくようになった。人が辞めるようになったり、経営会議も建設的ではなく、互いに批判的になるようになっていった。そして、徐々にTFJは”新陳代謝”が激しい組織になっていった。

当時は、人が辞める理由はそれぞれだと思っていた。
「ビジョンを信じられなくなった」
「このままだと生活が厳しい」
もちろん、私との衝突もあるだろう。

それまでは、人が辞めることは仕方がないことだと思っていた。「僕は僕で、ビジョンを信じ続ける。信じられないのであればお互いの道を歩んだ方が良い」と思っていた。しかし、これはとてつもなく間違っていることに気づく。僕は人が辞めること自体は今でも問題だとは思っていない。自分の進みたいより良い道が見つかったのであれば絶対にチャレンジした方が良いと思っている。ただ、大切なのはその真因との向き合い方であり、当時は完全に間違った考えだった。それを気づかせてくれる出来事があった。

ビジネススクールの授業で、100憶円をシリーズAで調達し、資金を完全に焦がして、倒産したとある起業家の話を聞く機会があった。授業で話された内容にオフレコ制約がかかっている授業なので、詳しいことはここでは書けないが、授業終了後の立ち話の内容が印象的だったので共有したい。

「私は、人の問題を真剣に考えない傲慢な経営をしてしまっていた。良いサービスと資金力があれば、優秀な人は集まるだろう、と思っていた。しかしそうではない。人は辞めていくし、さらに良い人が入らなくなる。そして、負の循環に至る。人が辞める理由はいろいろだが、本当の理由はリーダーに付いていこうと思わなくなったからだ。もう一度やり直せるのであれば、人との向き合い方は絶対に変える」

この短い会話を経て、僕は深く反省した。これまで携わってきた人たちは ビジョンを信じられなくなったわけではない。そのビジョンを掲げているリーダーの僕を信じられなくなっていったのである。

僕は意識が外に向きっぱなしだった。それが経営者の仕事だと思っていた。
組織内に何かマネジメントの課題があれば、優秀なCOOが何とかしてくれるだろうと思っていた。”役割分担”だと思っていた。もちろん、外的経営資源を確保するのが経営者の仕事であることは間違いないと思うが、仲間と向き合うことに対してもバランスよくやらなければいけない。

僕は、経営者の外向き指向の考えが間違っていたことに気が付くことができた。組織内の心理的安心・安全を創るのがリーダーの仕事であり、僕はそれを完全に怠っていたのである。本当にインパクトがある事業を創りたいのであれば、仲間がいないと到底無理なことだ。

スタンフォード流、感情を取り扱うリーダーシップ
ビジネススクールと言えば、当然のことながらリーダーシップ・マネジメント・ファイナンス・マーケティング・デザイン思考・投資…等々、ビジネスに関する授業が多い。ただ、僕はスタンフォードに来て、一つ驚いたことがある。ビジネススクールでの名物授業、通称Touchy Feely (Interpersonal dynamics)に代表されるように、フィードバックや内省を促す授業が多かったことだ。Touchy Feelyを受講していた仲間の話を聞くと、相当えぐられる体験をするそうだ。対人関係を学ぶこの授業では学生12名とファシリテーター2名が円形に座り、お互いにひたすらフィードバックをしながら自分が何を感じているのか、自分の言動が相手にどういうインパクトを与えるのかといったことを学んでいく。途中で泣き出したり、途中で熱く口論になったり、その中で生まれる感情等を大切にしながら、人間関係を気づいていく。僕は僕なりの考えがあって、Touchy Feely は受講していないが、他の授業でも内省や感情を取り扱う授業が多く、僕の状況に合うと感じたものを受講している。僕は10年前にハーバードでリーダーシップを学んでいるが、当時僕が学んだ内容とは全然違うように感じた。ハーバードはどちらかというとリーダー育成の士官学校のイメージがあり、左脳型のリーダーシップが軸になっているように感じたが、スタンフォードは相当右脳型だと感じた。なぜこのような授業が多いのかが気になって、教授に聞いたことがある。

春先に、長年Googleの社長を務めていて今ではスタンフォードで教鞭もとっているエリックシュミットとのランチ会があったので、彼に上記の疑問をぶつけてみた。そこで彼はこう答えた。

「これまでのリーダーの役割は未来に向けた意思決定をすることだった。しかし、人工知能(AI)の方が膨大なデータに基づいた良質なビジネスの意思決定ができるようになると、リーダーは役割を変えていかないといけない。」
(中略)
「社会課題を解決したり、価値を生み出すチームは多様性に富んでなければいけない。エンジニア・クリエイター・マーケター・営業・財務…と各々の専門領域に特化した人財でチームを編成し、各々の専門性が生きるチームカルチャーを創る必要がある。ただ、気を付けないといけない。これら一つ一つの専門領域でプロフェッショナルとしてやってきている人財の”特性”が各々違うのだ。これまでの経験・考え方・価値観、これらが時には水と油のような状況になりうる。普通に左脳的にロジックでチームをリードしようとすると、議論が平行線のまま、チームは崩壊する危険性がある。この時には水と油を中和させるのが、ビジョンであり、感情的なつながりである。」

目的・ビジョンにアラインしているからこそ多様性は生きるし、その多様な価値観を融合させるのが感情なんだ、ということを学ぶ。僕がまさしく7年間、TFJの経営に携わってきたときに怠っていたことだった。もっと仲間のことを知るべきだったし、もっと感情を共有するべきだった。深く反省した。

Change Lives, Change Organizations, Change the World
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ビジネススクールのキャンパスにはそこら中にモットーでもある「Change Lives、Change Organizations, Change the World」と書かれた旗が掲げられている。自分や個人を変革できない人間に組織の変革ができるはずもないし、その先にある社会の変革も到底無理であろう、ということだ。

考えてみれば、僕の場合はこの順番が前後していたような気がする。”前後”というよりは、もしかしたらChange the Wolrdにしか意識が向いていなかったかもしれない。これは、社会起業家に限ったことなのかもしれないが、社会起業家は一般的に同じような傾向があるようにも感じる。

「社会を変革する」「社会課題を解決する」ことを掲げている社会起業家はどうしてもセルフケアがないがしろになってしまう。特に、日本では寄付文化が根付いているとは言えない状況がある。限られた資源でインパクトを最大化しなければいけないからこそ、外的経営資源をどんどん確保する必要があるし、そのためにビジョンを叫び続ける。そのビジョンが社会と呼応し、協力者が現れるし、その社会課題を解決してほしいという期待が集まる。ビジョンを発信し続けるその活動そのことや周囲の協力者や寄付者からの期待がさらに自分が掲げているビジョンを強化する。

一見、とても良いサイクルに見えるのだが、僕はこの循環に社会起業家が自分のInner-self に向き合えなくしている要因の一つだと思っている。いつの間にか、掲げているビジョンも心の底から信じているものではなく、「思い込み」になっていることにも気づかないこともあろうかと思う。僕もその一人だったかもしれない。

僕は、社会を変革していくためには、圧倒的な当事者意識が必要だと思っている。僕はここ一年、インパクト投資の研究をする中で投資家のみならず投資を受けるNPOや社会的企業の経営者の話を聞く機会がたくさんあった。社会にインパクトを創出している起業家は、解決したい社会課題が原体験から派生していたり、相当な怒りから来ていたり・・・起業家は圧倒的な当事者意識を持っている。

僕は、コーチングセッションや同級生との対話を通して、僕自身が何に当事者意識を持っているのかを改めて考えることができた。僕は、自分の原体験から子どもたちが抱えている困難を一つでも多く解消していくのが社会の責任だと思っているし、教育の可能性を心から信じている。教育がライフワークであることは間違いないと思っている。ただ、子どもの貧困問題だけに焦点をあててしまうと自分の中で少し文脈がおかしくなってしまうのである。実際、僕は”いじめ”という困難は経験しているものの、”貧困”という困難を経験しておらず、子どもの貧困問題への当事者性が低いのである。当然のことながら深刻な問題だし、解決しないといけない問題だと思っている。ただ、子どもの貧困問題に心底から解決したいという情熱があったというよりは、子どもたちが直面している困難を解決したいのであって、貧困はその一つの要素でしかなかった。課題に共感はしているので支援者になれるし、今後、この課題が解決されるように様々な支援はしていきたいが、自分がTFJをリードしていく経営者をやりながら苦しんでいた理由が良くわかった。

僕は、社会に意識を向け続けていたがために、いつの間にか自分の心と身体を消費し続けていたのだ。

”Change Lives” 自分と向き合えるリーダーになる
様々な機会を通して、自分のリーダシップの課題と向き合えたことはとても意義あることだった。自分のリーダーシップの課題のみならず、それがどこから来ているのかも気づくことができた。冒頭に述べたコーチングを通して分かったことが一つあった。僕は根本的に人の事を信じていなかったのだ。

中学二年生の時に経験したいじめ。僕が友達だと思っていた同級生がいつの間にかいじめる側にまわり、僕に暴力を振るうようになった。人を信頼して裏切られる経験、それはなかなか辛い経験だった。「こんなに辛い思いをするなら、人なんて最初から信頼しなければ良い」そこから人を信頼するのをやめたような気がする。考えてみれば、高校の時の陸上部の部長、大学の時の体育祭の団長、TFJでの経験、周囲を信頼していなかったのだと思う。信頼関係が醸成できず、向き合うことができていなかった。そして外にベクトルを向け、「これが経営者の仕事なんだ」と自分に言い聞かせ、走り続けた。そして、終いには前述した負のスパイラルに陥る。

外向けのビジョンは強化されるものの、人が辞め、そして自分が描いているビジョンと現実のギャップが大きくなる。
ストレス、不安、焦り‥‥それでも前に進む。人がいない分、自分が走り続ける。消耗しきった結果、自律神経失調症になり、電車に乗るのですら胃の痙攣が起こり、吐き気が止まらなかった。最終的には医者にかかることになり、医者には「あなたはとてもエネルギー値が強い人。これまではプラスにそのエネルギーを使ってきたが、一気にネガティブに振り切って、自分のことを傷つける危険性がある」と言われ、ドクターストップがかかった。このように、ドクターストップが出ないと立ち止まれない、ということではないと思う。勇気が必要ではあるが、自分から主体的に、ところどころで立ち止まり、自分の心と身体に耳を傾け、メンテナンスすることの大切さを学んだ。


欲張りに人生を生きよう
僕がスタンフォードに来て、一番良かったのが自分の人生のPurposeと向き合う機会がたくさんあったことだと思う。Jennifer AakerのRethinking Purposeでは、改めて「自分が何を大切にしていて」「何を目指したいのか」と向き合い、ライフビジョン達成に向けてどういう生活リズムやマインドを持つべきなのかを深いレベルで考えることができた。これも4名ぐらいのグループになって、互いにシェアしたり、フィードバックや問いをもらう。
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自分のグループメンバーが本当に素晴らしい人たちで、彼らのstoryに触れるだけで、自分のstoryをより深いレベルで考えることができた。最後は素晴らしい授業にスタンディングオベーションだった。きっと皆にとってもインパクトのある授業だったんだと思う。
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Joel Petersonの授業では家族の大切さを学んだ。自分の人生のPurposeを考えたときに、それは必ずしも仕事の話だけではない。家族と向き合い、公私ともに一貫したリーダーシップを発揮していくことの大切さを学んだ。Joelは自分が企業経営に活用している人間関係の構築やマネジメント手法を家庭でも実践しているのだ。ここまで徹底して、一貫性のある生き方をしている彼に多くのことを学んだ。
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彼は家族で大切にしたいビジョンや行動規範、ウィッシュリストを何枚ものドキュメントにまとめて大切に取り扱っているようだ。Joelには特別にPeterson家で活用しているドキュメントの中身を見せてもらい、僕の作ったものにもフィードバックをもらった。今までの僕は、”仕事” か ”プライベート” どちらかを犠牲にする考えを持ってしまっていたが、そんなことはない。両方しっかりと向き合うからこそシナジーが生まれ、より人生が豊かになることを知った。


Systems Leadership を教えるJeff Imeltには本物のリーダーの立ち振る舞い、思考、そしてあり方を学んだ。2001年にジャックウェルチの後を継いでGEのCEOに就任した直後にアメリカ同時多発テロ事件が起こり、ありとあらゆるリーダーシップチャレンジに直面した彼は、20日間で10年分ぐらいの経験を積んだと感じるくらい高次元の意思決定の連続だったそうだ。その一つ一つの意思決定をするときにリーダーがどのように考え、何を大切にすべきなのかを学んだ。
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Rob Seigelからは”教育に対する愛”を実践することはこういうことなのか、を学んだ。授業は当然のことながら最高に刺激的で楽しいが、彼のすごさは授業の外にあると感じた。心から学生の成功を願い、そのために自分の経験や知識を存分に使いながらサポートする。キャリアの相談に乗ってもらったときに、「一つの仕事で全てを満たすことは難しい。投資ポートフォリオを創るように経営ポートフォリオを創ることにチャレンジしてみたらどうだ。もちろんベストは一つのことに全てを投下できることだ。でもそれが見つかるのは人によってタイミングがマチマチだ」と印象的なアドバイスをもらったことがある。これまでキャリアって考えた事なかったので、適切なタイミングで適切なアドバイスをもらったと感じる。
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素敵な仲間との出会いもまた一つ人生に大きな影響を与えた。日本人の仲間たちとは何回飲みながらたわいもない話から日本の社会や未来の話をしたことか。これから留学する人は是非ともこの日本人とのつながりを意識すると良いと思っている。10年前、僕がハーバードで出会った仲間は起業家になったり、政治家になっていたり、NASAや世界で活躍している。当時の何ともない飲み会で築いた関係性が、
今では日本や世界を良くしていこうとしている同志の関係性に発展している。
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圧倒的に優秀な仲間と共に学べた機会も一生涯忘れることはないと思う。世界中から志高く、そして行動の質と量が伴っている仲間と一緒に学ぶことを通して、本当に多くの刺激をもらった。自分が改めて置かれている環境の大切さを痛感した。やっぱり人間って周りにいる人間の平均値になっていくんだ、と。自分が自ら変わることって結構大変だけど、自分がいる環境については自分で選択することができる。これからも刺激的な環境に自分から飛び込んでいくようにしようと思う。
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Jamie Beatonとの出会いも自分の人生を変えるきっかけとなった一つの出会いだろう。若干24歳でハーバードの学部と大学院を成績優秀者で卒業し、オックスフォード大学の博士課程に所属しながら、スタンフォードでもMBAと教育学修士も成績優秀者で修了。このトラックレコードを完全に証明するかのように彼から圧倒的なレベルで教育やビジネスに対する知識を持ち合わせていた。彼とは何度もSteve Jobsが良く通ったと言われているJINSHOで何時間も教育について熱く語り合った。彼の掲げているビジョンと自分のビジョンは完全に同期していると感じる。そんな彼から刺激をもらいながら今後も前に進みたいと思っている。
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最後に
僕はこのような二年間をスタンフォードで過ごし、いつの間にか36歳になってしまった。10年前の2009年に僕はハーバードを卒業して、新しい人生を歩み始めた。10年経った今、また新しいスタート地点に立てていることを本当に幸せに感じる。このJourneyを支えてくださったすべての人に感謝をしたい。日本財団の国際フェローシップや出願のプロセスでいのさんや米倉先生、熊平さん、Wendy Koppのサポートがなければスタンフォードで二年間過ごすことができなかったと思う。しっかりと社会に恩返しをしていきたいと強く思っている。ただ、社会を考える前に自分と向き合おう。

人生は何度でもスタート地点に立てる。
僕の人生は僕にしか変えられない。
いろんな邪魔するものやハードルとなる要因はいくらでもある。
ただ、その瞬間、僕が何を大切にしているのかにしっかりと耳を傾けて、手触り感のある人生を過ごしていきたいと思っている。
これからは、ところどころ立ち止まり、深呼吸をしてから、また一歩前に進もう。
社会を変えると考える前に、まず半径5メートルの世界を変えていこう。
何よりも自分が変わり続けることだ。
半径5メートルの世界をすこしずつ拡張していくことが大切なんだと、僕は思っている。
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